Howell, C. and R. Koilns Givan, “Rethinking Institutions and Industrial Change in European Industrial Relations", (2011)

論文

Howell, C. and R. Koilns Givan, 2011, “Rethinking Institutions and Industrial Change in European Industrial Relations", British Journal of Industrial Relations, Vol. 49, No. 2, pp. 231-255.

This article traces the process of institutional change in industrial relations in Britain, France and Sweden over the last quarter-century in order to identify the mechanisms and forms of institutional change. These three cases demonstrate a high degree of institutional plasticity, and a greater convergence in industrial relations than comparisons of national institutions have tended to suggest. These findings in turn suggest the need to rethink both the role of institutions and the nature of institutional change in comparative political economy.

この論文は、イギリス、フランス、スウェーデンという3つの事例を取り上げ、経済的リストラクチュアリングと市場自由主義の進展の結果、どのような軌跡をたどって労使関係が変化したかを検証した。

この論文の2つの中心的な主張は以下の通り。

  • 1. 3つの事例は、「移行的」と特徴付けることができるような労使関係における変化を経験した。
  • 2. これらの事例において、労使関係は同じ方向に向かって変化していった。その方向とは、脱中心化され、個人化された、企業を単位とする労使関係の制度であり、そのような制度は、企業レベルの賃金と労働条件の決定においてより大きな柔軟性と自律性を提供するものである。

3つの国の変化が詳しく説明されてあり、勉強になった。
各国の歴史的状況や制度の本質的な異質性を前提として、それが、グローバリエーションや経済自由主義がもたらす問題に、それぞれどうやって対応していったかを説明する。
日本の事例は、どのように説明できるだろうか。