竹ノ下弘久,『仕事と不平等の社会学』,(2013)

仕事と不平等の社会学 (現代社会学ライブラリー 13)

仕事と不平等の社会学 (現代社会学ライブラリー 13)

本書は、現代社会における社会階層と不平等について考察するとき、様々な諸制度との関わりから論じることを重視している。なかでも、社会保障制度、家族政策、教育政策、労働市場構造、労使関係、雇用政策が、不平等を左右する制度として注目される。筆者が、社会階層と制度とのかかわりを考える上で大きなきっかけとなったことの1つに、日本社会における非正規雇用のあり方が、必ずしも他の国では一般的に見られないということを、多くの比較研究を見ていく中で気づかされたことがある。


第1章 階級構造
第2章 アメリカ社会と階層研究
第3章 日本における階層構造の捉え方とその展開
第4章 社会移動と機会の不平等――第一世代の階層研究
第5章 階層研究における地位達成モデルの導入――第二世代の階層研究
第6章 移動表分析とログリニア(対数線形)モデル――第三世代の階層研究
第7章 制度と階層移動の媒介過程――家族的背景と教育達成との結びつき
第8章 日本と韓国における親の子どもの教育に対する関わりと学業達成
第9章 学校から労働市場への移行とキャリア形成
第10章 グローバリゼーションと労働市場をめぐる制度編成
第11章 東アジアの労働市場の制度編成と自営業への移動
第12章 国際移民と社会階層