Rueda, David and Jonas Pontusson, "Wage Inequality and Varieties of Capitalism", (2000)

Rueda, David and Jonas Pontusson, 2000, "Wage Inequality and Varieties of Capitalism", World Politics, 52(3): 350-383.

資本主義の多様性によって、賃金格差の決定要因が異なっているかどうかを探求する論文。著者のDavid Ruedaさんは、Oxford大学のPolitics and International Relationsの教授。

OECD16カ国のデータ（1973〜95）（日本を含む）の分析。Social market economies(SMEs)とLiberal market economies(LMEs)を脱商品化インデックス、社会支出、集合的交渉制度、雇用保護インデックスから区別して、4つの政治的・制度的変数（組合、賃金交渉の中心性、パブリックセクターの規模、政府の党派構成）が賃金格差に与える効果が、SMEsとLMEsで異なっているかを検討。

分析によって、失業率や低賃金の国との貿易は賃金格差には関係がない／女性の労働力参加は、格差を拡大させる。ただし、LMEでのみ／SMEとLMEの違いが賃金格差の決定要因を理解するためにも重要、であることを示す。